エアコンを手に入れた現代人にとって、快適な環境を作り出すのは簡単なことです。
スイッチ一つで室温を変え、風の向きや強さも自由に操れます。
それでも人間は、いちいち「暑い」だの「冷えすぎて寒い」だの文句を言いますよね。
環境スペースは快適すぎる環境に慣れてしまったからこそ、夏の暑さを楽しむ余裕がなくなっているのかなと思いました。
日本には、ちょっとした工夫で「涼」を味わう風習があります。
昔の日本人は五感を使って涼しさを感じ、暑さが厳しい季節にもひとときのやすらぎをもたらそうとしていたのかもしれません。
今回は環境スペースと、日本の「涼」を探しにいきましょう。
■繊細な音が涼を運ぶ「風鈴」
夏になると家の軒下や窓際、神社の境内などに飾られる風鈴は、日本の夏を少しだけ涼しくしてくれます。
「チリーン…」という繊細な響きは、ガラスの透明感を思い起こさせるでしょう。
風鈴の音が鳴るのは風が吹くからであり、音を聞いた人が「風が吹いている」とイメージすることで涼しさを感じるとも言えますね。
しかし、風鈴を知らない海外の人が聞いたら涼しさを感じないかもしれません。
日本人にとって風鈴は夏の風物詩であり、透き通るガラスの映像、風が吹いている様子が脳裏に映し出されることによって涼しさを感じるのだと環境スペースは思います。
時にはエアコンを消して窓を開け、自然に入ってくる風に風鈴を鳴らしてもらってはいかがでしょうか。
■実はおもてなし!?現代ではエコな暑さ対策「打ち水」
老舗の旅館の前で、仲居さんがひしゃくで水を撒いているのを見たことはありませんか?
これは打ち水といい、掃除の最後にお清めをして客人をお出迎えするという意味があります。
撒かれた水が蒸発する際に地面の熱を奪う「気化熱効果」により、周りの温度が下がって涼しさを感じるのです。
打ち水をすると体感温度マイナス1.5℃にもなるといわれており、現代のアスファルトの地面にも効果があります。
水を撒いている様子にも涼しさを感じられ、庭や玄関先にこもった熱を上手に逃がすことができるでしょう。
朝や夕方の時間帯に、日なたよりも日陰に水を撒いた方が打ち水効果が高くなります。
■美味しく食べて涼を感じる!?「そうめん」と「ところてん」
夏といえばそうめん!
絹糸のように繊細で真っ白い麺が、氷の入った冷たい麺つゆにほどけていく…
見て涼しく、食べて冷たい、日本の伝統料理です。
夏の風物詩にもなっている流しそうめんは、留まることのない水の流れに涼しさを感じます。
関東は酢醤油、関西は黒蜜をかけて食べられているところてんも、透き通った見た目から涼しさを感じる食べ物ですね。
のど越しが良く、食欲のない時にもさらっと食べられるので夏バテした時におすすめ♪
一年中食べようと思えば食べられますが、暑いからこそ美味しい食べ物だと環境スペースは思います。
金魚鉢やすだれも、古くから「涼」を感じるアイテムとして日本人に愛されてきました。
エアコンに比べれば、気休め程度にしかならないと考える人もいるでしょう。
しかし、そんなささやかなオアシスが心を穏やかにしてくれることもあるのです。
夏が危険な暑さになる前に、日本らしい「涼」を楽しんでみてくださいね♪